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「追いつめられて…」1959 イギリス 監督J・りー・トンプソン 出演ホルスト・ブーフホルツ、ヘイリー・ミルズ、ジョン・ミルズ 久々の映画感想文です。 図書館でキネマ旬報の半年前の号をぱらぱら見てたら、上記右側の部分の写真が載っていた。おうーと思いましたね。懐かしい。なんとDVDで発売になったらしい。その記事の筆者はどうもヘイリー・ミルズのフアンのようでたまたま取り上げてくれたようです。この映画は彼女のデビュー作でこの映画出演時の年齢は12歳だったという。この後アメリカのディズニー映画に誘われ「罠にかかったパパとママ」「ポリアンナ」で主演し、アカデミー賞特別賞を受賞し、アメリカで活躍してました。 私が昔かかわったアメリカ製人形アニメの日本製作プロダクションで、始めて付いた作品は「アンデルセン物語」で人魚姫のエピソードの班でした。人魚姫役の声がなんとヘイリー・ミルズでびっくりしたことがあります。親指姫の声はパティー・デュークでしたね。王様役の声はパール・アイブスでしたから今思えば豪華な声の配役だったのですね。人魚姫が恋人に去られて海の岩の上で切々と歌い上げる恋歌、ヘイリー・ミルズの澄んだ歌声はよかった。その後、映画とは別に歌だけでもヒットしたような気がします。 しかし、私はそういうことより、別の意味で「追いつめられて…」は感慨深い作品だったのです。 この映画の日本公開は1960年でした。ロードショー作品でなく、トリュフォーの処女作「大人は判ってくれない」との2本立て封切で公開されました。当時大学入学1年だった私は、この2本立てを見たとき断然「追いつめられて…」のほうがいいと思いました。それは「大人は…」の斬新的な突き放したようなラストのストップモーションには感心しましたけれど、この「追いつめられて…」の物語の作り方、巧みなストリーテリング、巧妙な伏線の張り方、ラストの余韻のよさ、からいってこっちのほうに軍配を上げたのでした。 ところが、これは完全に忘れ去られ、トリュフォーの映画はヌーベル・バーグのはしりとして、映画史上燦然と輝いているのです。私には鑑識眼が無いのか。しばらくはそう思ってました。勿論両作ともしばらくは名画座にかかったときは何度か見に行きましたが、でも「追いつめられて…」もいいのだがと思ってるうちに、この映画は消えてしまったのです。 それが50年振りに出てきました。早速発売元のホームページから通販で入手し、箱を開けるやすぐ再見しました。 全然昔のままじゃないか、古びてなんかいない、いまでもこれだけ綿密な練り上げたシナリオも無いだろうと思います。演出も冴えてます。後に「ナバロンの要塞」を撮るJ・リー・トンプソンですからサスペンスの盛り上げ方など手馴れたものです。「追いつめられて…」の前に「恐怖の砂」という戦時中の北アフリカの砂漠を病院車が右往左往するサスペンス物を作っており、私は後に名画座で見ましたがこれも良かった。これからはトンプソン追うべしとそのとき思いましたね。「北西戦線」「恐怖の岬」などありましたね。「恐怖…」はもっと後か。 さて、「追いつめられて…」ですが、うそつき少女と殺人を犯した外国人船員、彼を追う警視の三つ巴の心理戦ではらはらどきどきさせられること請け合い。特に配役上、実の親子である少女と彼女から情報を得ようと忍耐強く質問する警視のミルズ親子の絡むシーンは見ものです。娘が生き生きしてて、それを見守りながら演技するジョン・ミルズも凄い。短い時間のなかで一つも無駄のない伏線を張り巡らしてある作劇は見事。 <私の好きなシーン>教会の聖歌隊のメンバーの彼女、警察の尋問で遅刻して教会にもぐりこむ。結婚式で賛美歌を歌うのである。やがて合唱が始まる。歌を歌いながらとなりの男の子に拳銃と実弾を見せる。男の子はびっくりするが、賛美歌の歌詞を適当に変え、実弾くれるならチョコとキャンディーと交換してくれ、と歌う。彼女うなずき、自分の独唱の部分になり、きれいな澄んだ声で歌う。ふと参列者の方を見ると、なんとあの男がいる、びっくりして歌は途中で中断……。流れよどみない演出。今見ても参りました。 とにかく、会えてよかったというのが正直な気持ちです。 これが500円というに驚き、ほかに同じころ見て感心したロイ・ベーカーの「黒い狼」、スタンリー・ベーカー主演の「地獄特急」三度目のリメーク「三十九階段」ガス・ヴァン・サントの「誘う女」等も買いました。
by st410
| 2009-12-04 13:08
| 映画
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