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きょうBSでこの映画をやっていた。デルマー・ディヴィスの傑作西部劇です。50年ぶりに見ましたがやはり傑作です。緊迫感溢れる作劇法で最後は「真昼の決闘」並みのリアリズム西部劇かとおもわせるあたりがあったりするがすがすがしい読後感というか、映画の場合はなんて言うのだろうか、まあ、カタリシスを与えてくれるところがいいのです。グレン・フォードの悪漢役、ヴァン・へフリンの家族愛に満ちてる牧童役、崩れた役どころながら凛とした気品あふれるフェリシア・ファー。このバランスがいい。フェリシアさんに会えてうれしかったです。この人は昔からのフアンでした。この映画の中に出てくる人々が人を見送るときの姿勢がいいのです。へフリンさんの奥さん子供、ファーさんらの人を見送る後姿の美しさには打たれます。遠景の中でそれをきちんと捉えるカメラをほめるべきかな。チャールス・ラングJRかチャールス・ロートンJRか正確な名は忘れたが、かなりほめられるべき撮影だと思います。ディヴィスの演出はどちらかというとガンファイトや派手なアクションより人と人とのふれあいを重点に置く演出で、この作品では彼の特徴が最大限に発揮されてます。公開当時名画座を含め2,3回は見ています。今と違い、昔は一日中映画館にいて、連続で見ることも可能でした。入れ替え無しだから。但し2本立ての場合は見たくない作品も見なくてはいけないから大変です。しかし気に入れば何回でも見られた昔の興行形態はよかったですね。 今日見ていてモノクロスタンダードの画面のきれいなことにびっくりしました。昔公開されたときは、スーパースコープ方式で上下をカットして2.0対1.0のワイドスクリーンで上映されたからです。当時のRKOラジオ映画やコロンビア映画はスタンダードサイズを無理にワイドスクリーンにするため上下カットをしており、私はこの映画を映画館ではスーパースコープで見ました。そのため画面の粒子が荒れてざらざらした画になっておりました。だから余計にハイビジョン画面での鮮鋭さに驚いたわけです。 1955年頃から映画界はワイドスクリーン化が進み、20世紀フォックス映画の世界初のシネマスコープ作品「聖衣」(1953)以後は猫も杓子も娯楽映画はワイド化されていきました。撮影時はスタンダードで撮っていても配給会社が勝手に上下カットのプリントを作りアナモフィックレンズを映写機につけて上映することが増えました。今の3D化より当時は急速にスクリーンのワイド化が進みました。ですからスタンダードサイズの旧作をリバイバルするとき無理やり上下を切ったスーパースコープ物が続出しました。「地上より永遠に」とか「ヴェラクルス」「白昼の対決」などがそうです。 今は信じられないかもしれませんが、ディズニーの「ファンタジア」は戦前の作品ですから当然スタンダードなんですが、曲目に変えてスタンダードとワイドを使い分けて上映するプリントを作ったことです。最初巻別にワイドとスタンダードを分けてたのかなと思いましたが、今オリジナル版をDVDで確かめてみると、曲の途中からでもワイドになったりしてるからプリント作成時につくったものですね。映写は全てアナモつきで映写してたのですね。人間が出てくるオーケストラの実写やミッキー・マウスの「魔法使いの弟子」(この曲を聴くとミッキーが思い出されます)やベートーベンの「田園」などはスタンダードで「春の祭典」「くるみ割り人形」「アベマリア」はワイドになるわけでして、そこまでしなくてもいいじゃんと思いますが、当時のワイド化は映画興行界にとって死活問題だったのですね。 話が変な方向に行きましたが、ワイドスクリーンについての話はまだいろいろありますのでそのうちに。 ![]()
まさか、この題で又何か書くなんて思ってもいなかったのですが、たまたま新しいことを見つけたのでちょっと記すことにいたします。「黒神」については、このブログの2008年1月の『島原の子守唄「黒神」1』以降30回にわたって書いてありますので、拾い読みすれば全貌がお分かりになると思います。 昨年4月「黒神」の監督大重潤一郎さんから電話があり、今彼の一番の協力者である助監督の須藤義人さんが「久高オデッセイーはるかなる記録の旅ー」(晃洋書房・刊)という本を出した、ぜひ読んでくれと言う。了解と言うことで近くの本屋で探したがない。ネット通販でやっと1週間後に手に入れて読みました。大重が今取り組んでいる記録映画「久高オデッセイ」シリーズの制作ドキュメントでありながら、沖縄古代の神々、いや、人間の魂の原点、「ニライカナイ」とはといった哲学的な思索を元に、半身不随ながら自らカメラをまわす大重監督への畏敬の念に満ちた書物です。私が思うにまれに見る労作であります。写真家故比嘉康雄さんの写真をはじめ写真を多数使った読みやすい形になっていますが、内容は重く、ひとすじなわでは理解できない。彼から読み終わったら感想を言えと言われましたがいまだ考えがまとまらず、返事ができない状態です。 この本のなかで、「黒神」について触れられています。 『大重フィルムは「いのち」(生命)が主旋律である。「人間の根源」に絶えず目を向けつづけ、今の私たちに如何に生きるべきか…を提示し続けている(中略)』とか 『岩盤のなかで変わらず流れている水脈のように、人々の暮らしは歴史の変遷にも動じることなく自然と融合し、大地に根付いた生活文化、精神文化を培っていることを映像で表現することが、大重映画の想像力の原点となる。(中略)1970年、大重潤一郎が抱いた「黒神」という島社会へのまなざし…。それは、人と海と大地とのつながりを意識し、記録映画を作り上げる作風の原型となった。』と鋭いご指摘をしております。 いい本です。縁があったらご一読を。 話は変わります。先日、降りしきる雨の中、とある駅前のバス停で30分近く来ないバスを待っておりました。やっと来たバスに乗車。同乗の女性が別の女性に「遅刻ですよね」と話しております。やっと会場に着き、場内に入場。上映開始から30分たってます。そんなことかまわず鑑賞開始。 作品はフレデリック・ワイズマンの「ストア」アメリカダラスにある名門百貨店のドキュメント。2時間の内頭4分の1見過ごしても、違和感無いのがワイズマンというところか。 今交通費を出しても見たいのがワイズマン。会場は武蔵小杉が最寄り駅の「川崎市民ミュージアム」です。続いて見たのがアメリカ有数のウィンタースポーツの名所「アスペン」四季を通じて撮っている。長い割りにちょっと散漫。夕方になっても雨は降り止まず、バス停の屋根が雨宿りになってうれしい。バスに乗って気がついたが全線200円均一みたいだ。このバスの終点は川崎駅西口北だそうなので、終点まで乗ることにした。 昔ロケしたことのある東芝工場の前を通る。その時が思い出された。応援で行った現場で、診療所のシーンで役者の医者が役者の女子従業員を診察する場面でした。演出家が、問診の医者が聴診器当ててるところを撮るけど女優さんに「胸出してくれる」と言ったら、彼女こっくりうなずいて清楚な胸をだしたことが、自分にとってはショックで強い印象に残っている場所でした。バスは雨の中、約1時間かかって終点に到着。 次の日もワイズマン。「病院」は劇的な内容もさることながら、よくまとまっていて佳作といえます。どんな情況でもカメラとテープを回し続ける決意みたいなものを感じます。馬鹿でかいホットドッグの昼食をとり、昔住んだことのある近隣を散策する。昔のおもかげは皆無で釣堀になっているあたりが、残っているといえばそうなのかも知れないが変わってしまった。当時居た二間平屋建ての草ぼうぼうの借家が思い出される。むさくるしい男所帯に興味を持って時々遊びに来ていた隣家の女子高校生が可愛かったな。大人の男への好奇心があったのかも知れない。 3時から「競馬場」を見る。博打の現場でどろどろした人間模様が出るのかと思ったら、人間と馬の関係に主眼がおかれて馬に対する人の愛情に優しい目が注がれている。今回の4作を見て、あれっと思ったのは、必ず教会の牧師さんの説教が出てくることです。あのお説教というのは言ってることが抽象的なので面白くないし退屈。しかし3~6分くらいどの作品にも出てくるから、ワイズマンさんよほどクリスチャンなのか信心深いのか。意味を込めてるとしたら、わたしは理解能力ゼロで失格です。そういえば隣の女子高生から手製の布カバーをかけた聖書をプレゼントされたのを思い出した。鈍感でしたな。 それはさておき、何が「黒神」と関係あるかといいますと、待ち時間のあいだこの「川崎市民ミュージアム」の過去上映したプログラムのチラシがありましたので見ていたら、あったのです。「黒神」がここで上映されたのです。えっと思いましたね。自主上映が当たり前で、それ以外で上映されたことは聞いたことが無かったのでびっくりしました。このミュージアムのプログラミングは昔から特異で注目していたのですが「黒神」をやったのですね。知らなかった。 題して「35mm自主制作映画の興隆」という特集で1963-1977に制作された16作品が2001年11月に上映された。「黒神」のほか「河 あの裏切りが重く」「無人列島」「略称連続射殺魔」「冒険者たち」「異邦人の河」などがある。特に最後の「異邦人」は演出部に誘われたこともあり懐かしい顔ぶれが並んでいる。 「黒神」についてこのチラシの解説を引用いたします。「岩波映画製作所で助監督を務めていた大重は、同じく助監督仲間の山崎祐次、橋浦方人、四宮鉄男らと集団「サイクル8」を結成、鹿児島県・桜島付近の黒神という集落を舞台にした劇映画を完成させた。オリジナル35ミリプリントによる上映。」とあります。上記3人は当然知っていますが「サイクル8」は聞いたような知らないような感じで、良く分からないですね。いずれにしても「黒神」が自主上映以外でこういった特集で上映されたことは、私にとってはひとつのニュースで、番外編として記した次第です。 まあ、「黒神」はこのくらいにして、今は大重潤一郎畢生の大作「久高オデッセイ」に注目しましょう。 先日、大重に電話したら13回目の肝臓がん手術で上京中とのことだったが、めげない男の目指すものは何か、大いに期待するしかないでしょう。 人がある風景を見て何を感じるか。その風景の意味は、そしてその風景の彼方の空は何を語るのか。その空の色が変わる現象。人間の生き方とあるがままの自然との対話は……自分は、いや人間とは何なのか、考えざるを得ない気持ちにさせられる映画、それが『久高オデッセイ』です。 それはそうと廻しているのかな。ちょっと陣中見舞いに行かなくてはと思っています。 ![]()
昨日日本アカデミー賞が発表されたようで、前年度の映画関連の賞も一段落というところでしょうか。(これはその当時書いた文なので、今は時期遅れですが、途中まで書いていやになり、とりあえず、非公開でアップしておいてかなりたってから続きを書いているのです。前に書き終えた文が誤操作で消えてしまい、頭にに来ながら再度挑戦という次第です。こういうのは精神衛生上はなはだよろしくないです。) 気分一新して書きましょう。いろんな芸術多々ありますが、順位付けという点で、公にベストテンなりを発表する分野としては映画というジャンルが一番お盛んであると思われます。特に雑誌メディアは熱心でキネ旬に関して言えば戦前から毎年発表していますし、映芸もベストテン、ワーストテンプラスマイナスによる順位付けでここ数年続いています。 両誌とも数十名の選者が10本を選び点数制で多い得点からベストテンが決まる。多数決による選出だから文句のつけようが無いように思えるが、少数ながら熱烈支持する作品のある人にはちょっと悔しい思いが残る行事であります。だから時々何故どうしてと思える作品がベストワンなんてこともある。誰もが10点を入れたのでなく、無難に7,8点積み重ねたほうが、合計点でなんとなく1位に祭り上げられたなんてこともあるのです。相対的な関係で選出されるからしょうがないですけどね。そのへんが問題といえば問題か。 とはいうものの、選ばれるほうにとっては重要な評価のひとつなんですね。次回作への後押しポイントの一つかもしれないからです。そう考えると各選出者もある程度心してかかる必要あるのではと、老婆心ながら心配いたしておりますが。 新しい映画が叫ばれておりますが、映画は高々120年足らずの歴史の第七芸術。やはり古きを知って新しきを知る温故知新が必要です。どんな名作があったかそれらを知ること、そして見ること、いろんな勉強が必要だと思いますが、デジタル撮影機器の出現で、誰でも安価に映画が作れるようになり、歴史など知らなくても大いに結構という時代です。しかし、映画検定などという試みとは別にこれから映画に取り組もうとする皆さんは、映画の古典についてはしっかり勉強して下さいと言いたい。見世物、娯楽から人の心を動かす芸術へと進化してきた映画について、簡単に作れるようになった現在だからこそ、その仕組み、構造、表現方法、についてしっかり過去の遺産を熟読吟味して欲しいのです。現在はビデオ、DVD等でいくらでも勉強できます。昔は名画座、フィルムライブラリーなどをめぐって必死だったのですが、それを言ったらお仕舞いよ的なことなんで愚痴はやめるとして、これから映画を目指す人は文明の利器を効率よく活用し勉強して下さいとしか言えません。 その勉強の手立てとして過去のベストテンはある程度の指針となるでしょう。その当時どんな映画が選ばれたか、そしてその作品が示したものは何なのか。興味尽きないところであります。 話は変わりますが、今でも続いている松本近隣の映画愛好家のサークルに、私も入っているのですが「松本シネフレンド」という団体がありまして、昔から会員のMYベストテンを集めて発表しています。一番最初が洋画が「ナテュラル」邦画に「Wの悲劇」がベストワンに選ばれていますから相当昔のことです。当初は30人近くの会員が投票して、キネ旬よろしく点数を合算し高ポイントの作品をを一位に選びました。毎年機関紙を発行しました。その後諸々ありまして、現在は7,8名のメンバーの自主投票で合算はせず、各々の原稿そのままをシネフレンドのホームページに掲載されてます。 ちなみに2011年の私が選んだベストテンは次のとおりです。順位は1位だけは確かですが、後は順不同です。選考理由とか、総評などは「松本シネフレンド」のホームページを見て下さい。 http://homepage3.nifty.com/y-maruy/mcf/mybest_2011.html 「奇跡」「その街のこども」「ヘヴンズストーリー」「冷たい熱帯魚」「ヒアアフタ-」「トゥルー・グリット」「東京公園」「ショージとタカオ」大鹿村騒動記」「中国娘」
息子夫婦に用事があって久々に上京した。まあ、用事にかこつけて映画、古本三昧しようとした訳です。往復で6千円弱の高速バスを利用し出発した。やたら女性専用席が多いような気がする。新宿到着後、早速息子の店に行き持ってきた荷物を渡し、夜の再会を約し、目的の川崎アートセンターへ急ぐ。小田急新百合ヶ丘駅で下車。 そこではフレデリック・ワイズマンの特集上映をしていて、その日は「セントラル・パーク」「基礎訓練」「ミサイル」の3本を見た。彼の作品39本あるうちのやっと5本を見たわけですが、彼独特の作法によって撮られた映像は新鮮そのもので、そこにカメラが居るとは感じられないほどの臨場感がある。 特に「セントラル、パーク」はニューヨークのど真ん中にある広大な公園に集まってくる人々のドキュメンタリーで、あっという間に3時間を見せきってしまう。公園展望スケッチばかりではなく、テニスコートクラブハウス建て替え公聴会とか、維持管理の寄付金集めのNPOの会合などの、ディスカッションの場面が面白かった。 「基礎訓練」は彼の初期の作品でかなりコンパクトにまとめられていて、映像編集的にも凝っている。陸軍の新兵に対し行う最初の訓練を撮っているのだが、後のじっくり構えるスタイルの前なので、モンタージュがうまいのです。例えて言えば土本典昭さんの「ドキュメント路上」的な位置に居る作品ですね。あのキューブリックが「フルメタル・ジャケット」撮影の参考にこれを借りてってなかなか返さなかったということです。 「ミサイル」は大統領の命令がないと発射できない核ミサイル発射チームの訓練を追ったドキュメンタリーです。発射すれば核爆弾の報復合戦で世界は終わりと分かっているから、倫理的な問題、命令の合法非合法、核抑止の倫理も需要な勉強なんだが、そこは問題提起だけでそれの答えは各自で考えろと言うだけでした。後はクイズのような発射手順を如何にクリヤーすれば発射できるかと言うメカニズムを綿密に描いている。そこまで撮っていいのかしらと思えるほどの詳細さです。それらを無事クリヤーした女性二人のチームが合格し、係り官に「発射チームへようこそ」と言われ手放しで喜ぶ様子をさりげなく撮っているが、彼女らに全世界の命運がかかるのかと思うとブラックユーモア以上の愕然とした気分になります。これは見ているときでなく後で考えると効いてきます。 ワイズマンさんは後をひきますねえ。まだまだ何本でも見てみたいものです。 その夜は息子たちと飲んで、一人別れて渋谷のホテルでお泊り。夜10時以降のチェックイン開始というのも変だが、コップが無いのには参った。安いからしょうがないか。 翌日は忙しかった。渋谷駅周辺を散策し、立ち食い蕎麦屋風な店で朝飯。東急百貨店七階のジュンク堂で映画芸術ベストテン号を買って、シネマヴェーラで田壮壮の「呉清源 極みの棋譜」、二階下のオウディトリューム渋谷でグループぴじょんの「死者よ来たりて我が退路を絶て」を続けて見る。 シネマヴェーラは上映前完全に真っ暗になることに感激。映画館はこうでなくてはいけない。非常口だとか足元の明かりは不要だ。「死者よ」は映画祭1968のうちのプログラムのひとつ。当時リアルタイムで見て完全に忘れていたので確認のために見たのだが、やはり、構成に無理があって、どうってことはなかった。ラストのスタッフに知った名前がいろいろ出ていて懐かしかった。そういえばメインスタッフのKさんが斜め前で見ていたようだが、声をかけるのは控えました。 古本屋を2、3軒見て下高井戸に向かう。下高井戸シネマで「ゴーストライター」と「監督失格」を見るためだ。 ポランスキーの「ゴーストライター」は去年のキネマ旬報洋画ベストワンということだが、確かに手馴れてうまいものだがベストワンというのはどうだろうか。うまけりゃいいというものでもないんじゃないか。という気がする。昔の「袋小路」「吸血鬼殺し」の凄さに追いつかないと思うけど。評判のいい「戦場のピアニスト」だって決していいというわけではないと思いますがね。「水の中のナイフ」のピリピリとした若者の感性が懐かしい。 「監督失格」は賛否両論あるだろうけど、主人公の彼女に対し、オマージュを捧げる行為そのものと事実の記録という行為の狭間について考えさせられる映画で、作品に作り上げる行為を思い出の為というオブラートで包んでしまってよいものか、少々疑問ですがね。 又渋谷に戻り、ホテルに行く前に大串ヤキトン屋で一杯、のどを潤す。ホテルに行って驚いた。部屋はユニットバス付のビジネス仕様の部屋だが、なんとベットが無い。床に畳らしきものを引きその上にマットとかけ布団があるだけ。「これより土足厳禁」と書いてあるが、誰が布団の上に土足で上がるのか。まあ、とんだホテルに来たものです。ウイスキーのポケビンをラッパ飲みして(コップがないから)就寝いたしました。 さて、おのぼりさんは次の最終日です。予定では園子温の「ヒミズ」と清水宏の「もぐら横丁」を見るつもりでした。「ヒミズ」は新宿バルトで前々日まで朝11時からやっていたのだが、ケイタイの時刻表見ても当日の予定は劇場にお問い合わせ下さいとある。まあ同じくらいだろうと早めに劇場の前に行ってみた。入り口が分からずあっちこっち探して時間を示してある場所に着いたら、9時からもう始まっているではないか。次の回は「もぐら」の上映に間に合わない。がっくりです。他の劇場を検索したら、すべて時間が合わず断念した。しょうがないから神田の古本屋でも歩いてみるかと神保町に向かう。 あちらこちら覗いていると結構時間がつぶれる。しかし「もぐら」の3時までは時間があり過ぎるので、まだ行ったことの無い神保町シアターによった。作品は何でもいいので行ったら増村保造の「最高殊勲夫人」であった。せりふの飛び交う昔懐かしい家族喜劇でした。ここも映写状況は良かったです。 お昼は行列が切れたのを見計らって南海キッチンでカレーライスを賞味。他の皆さんはもっと上のカツカレーとか盛り合わせランチみたいなうまいものを食べてて、カレーだけというのは私だけみたいでした。キャベツのみという一品もあるんですね。 そうこうして、京橋の国立フィルムセンターへ向かうべく急いでいたが、小宮山書店の入り口近いところに映画本が何冊かあって、ちょいと覗いて数冊購入しました。これがつまずきの第一歩でした。神保町の地下鉄の駅についたが乗る線が分からず路線図で確認し、切符を買おうとしたら売ってない。都営と営団、今は東京メトロか、で売り場が違うらしい。もたもたしてやっと切符を買ってホームへ降りたらちょうど電車が発車するところで間に合わず。10分近く待たされやっと乗って三越前で下車。乗り換えなんだが、やたらと通路を歩かされる。乗換駅で10分近く歩くならその辺案内図に書いてもらいたいものです。一駅以上歩いたんじゃないか。おのぼりさんはつらいよ。もうその時点で「もぐら」開始の3時ちょうど。やっと銀座線に乗って京橋に着いたら、3時10分。決断の3時10分とはこのことか。時間に厳しいフィルムセンターだから入れないかも知れないと思い、これまた断念。まあ、何のために東京へ出てきたのか、馬鹿もいいとこです。銀座であきらめた「ヒミズ」の時間を調べたがこれまた帰りのバスに間に合わず。銀座有楽町周辺を歩き回り、丸の内線に飛び乗ったら、なんと新宿とは逆方向に動くではないか。つくづく自分が如何に田舎者か思い知りました。 新宿3丁目で降りてシネマート新宿あたりでなんか見る映画ないかよってみたが時間が合わず残念。もうしょうがないので紀伊国屋で本でも見るかと向かう。もう破れかぶれですな。 救いは紀伊国屋でタッシェンの写真集「ビリーワイルダー全作品」を見つけたことだ。しかも3050円が900円台だという。これは買わねばならないと購入。全作品のスチールや撮影風景などのオンパレードでうれしいのは本編がモノクロなのに、カラーでトニー・カーチスとマリリン・モンロー、ジャック・レモンとモンローのカラー写真が載っていること。クーパーとヘップバーンのカラー写真も貴重。ラストのフィルモグラフィーはオリジナルポスターで紹介してくれるのですから真にグッドと言わざるを得ないです。せめて見たい映画を見逃した変わりにこれくらいの楽しみが無くっちゃねという次第。 西口の「ボルガ」でバン焼きをほうばりながら、カウンターのご常連の馬鹿話を聞き、程ほどでバスに乗りました。東京は遠くなりにけり。とんだおのぼりさん行状記でした。 ![]()
前回紹介した文春文庫ビジュアル版の映画関係本は1995年9月の「戦後生まれが選ぶ洋画ベスト100」で終わっているようだが、いずれのベスト本も多数の選者にアンケートを行っており、その労苦には頭が下がります。ラストの前述本も290人がアンケートに答えています。この戦後生まれが選んだベストワンは「2001年宇宙の旅」です。成程と思えますが、さらに1995年以降に生まれた人のベストワンは「ブレードランナー」でした。女性のみだと「ウエストサイド物語」だそうです。 一番最初の「大アンケートによる洋画ベスト150」では「2001年」が7位「ウエストサイド」が6位、「ブレドランナー」は60位以内にも入っていない。ちなみに1位は「天井桟敷の人々」でした。今だとどうなるのでしょうか興味深いところです。 ところで、この文庫シリーズで「B級グルメ」なるキーワードで何冊か出ていることがわかった。最初買った一冊が何なのか忘れたが、同じような内容の本が続々とあるようで、新古書店で見るたびに購入しました。一体何冊出たのか分からなかったが、1998年6月刊の「路上観察華の東海道五十三次」の巻末の広告によればB 級グルメと銘打ったシリーズは15冊あるらしい。他に食関係の本は「ベストオブラーメン」蕎麦、丼、すしなど10冊ある。ページ一杯のラーメンの俯瞰カラー写真などで読者の食欲を増進させた訳ですね。我が家には全部あるわけではないが、まとめてみると3分の2くらいはあるかもしれない。 「B級グルメ」とは何かということですが、1986年11月刊でシリーズの最初のものと思われる「スーパーガイド東京B級グルメ」によれば「A級の技術で東京流の味と伝統を守り、しかも値段はB級の心意気に燃える店のレポートを中心とする、これは一種の東京論である。」とありますから味はA級でも値段はB級のうまいものをB級グルメと定義してよさそうだ。そしてB級グルメの定番「五大丼三大ライス」を言及しております。 五大丼とは、天丼、うな丼、カツ丼、親子丼、牛丼であり三大ライスとはカレーライス、オムライス、ハヤシライスというわけで、各々の名店がカラー写真で紹介されている。ちなみに天丼は一昔前、万年金欠病の私でも食べにいけた神田神保町の「天丼いもや」が載っているのがうれしい。 15冊もあるけど、良く種が尽きないものだと思いますが、これは最初からの編集方針なのか、取り上げる記事が種々雑多で、食べ物の品目だったり、地域だったり一種の雑誌的な編集だったから、何冊も続いたんでしょうね。 最初の「スーパーガイド」では上記のほかに和菓子、焼鳥、菓子パン、谷中散歩、紙芝居、「黄金バット」の絵とせりふ、紙芝居の菓子類についての加太こうじさんの解説、蕎麦屋で酒を飲む、東京のバー等など雑誌風なんです。筆者もいろんなライターが一生懸命書いていてなかなか読ませます。 以下「世紀末大東京遊覧」「冒険」「セイシュン」「基礎知識」「これが美味しい」「東京一番しぼり」「おいしい銀座」「同2」「半日散歩」「大情報」「東京自由自在」「見た韓国」「見た台湾」「楽しい温泉」と連発。 面白いと思ったのは「世紀末」の坂東真澄さんの目的別2人のためのシティホテル案内。女性から見た視点がいいですね。愚かな男たちは良く勉強すべしです。町井大さんの「B級映画館の楽しみ方」もそれなりに面白い。場末をこよなく愛し、当時のしゃれたミニシアターをこき下ろしている点は共感できます。「一番しぼり」は焼き蕎麦十番勝負、とかロールキャベツの底力、四谷荒木町大探検、素晴らしいです。 これらの本は1995年頃で終わっているからもう古い資料に過ぎないですが、まあその当時はそれなりに良かったんだと言うことでしょう。現在はグルメ雑誌がその役目を継いでいるようですが、雑誌は取っておくことは少ないと思いますが、こういった文庫本なら残されていくこともでき、いい企画だったと言えるのではないでしょうか。 文春文庫ビジュアル版はほかにスポーツ列伝物「剛球列伝」「助っ人列伝」、有名人物「美空ひばり」「宮沢賢治」、歴史物「日本軍艦戦記」「オリエントの幻」、地理物「サンフランシスコ」「ニューヨーク」、漫画物「貸本マンガ大全集」「マンガ黄金時代」などがあり、それぞれ読み応えがあります。 もう在庫限りの消え行くシリーズでしょうが、私はいろんな文庫の中でもかなり優秀で貴重なシリーズだったと思います。古本屋で探してみて下さい。 ![]()
瞬く間に年が開け早11日。果たして今年はどんな年になるのでしょうか。 私にとっては年が開けあまりにもだらしない飲んだくれで終始してましたので、相方よりナイトキャップ禁止令が出まして、昨日より実行に移しているところです。所在無いのでブログでも更新いたします。 我が家の物置と言うか書庫はもう飽和状態なのです。一番いいのは本を買わないことなんですが、昔からの習性でおいそれと直るものではありません。そこで購入する本は体積の少ない文庫本、もしくは新書版に限るこにしました。そうは言っても文庫本化されない映画関係の本はやむを得ず買ってしまうのだけれど、とにかく文庫本に集中させようと努力しております。文庫本4冊分の体積で単行本1冊くらいだから、そうすることにより、書庫の限りある面積を有効活用できるというわけです。ですから古本で買う本はもっぱら文庫本で、かなり文庫に詳しくなってきました。 今では各出版社ごとに文庫が出てますが、昔は岩波、角川、新潮、教養、春陽くらいしかなかった。そこに待望の創元推理文庫が登場し、ミステリーフアンを喜ばしたわけです。そして文春、講談社、中公、ちくま、ハヤカワが出て、もう撤退した旺文社、サンリオも果敢に文庫に参入し、今では文庫出さない出版社を探すほうが難しい。各文庫についての感想等は又いずれ書くとして、今日は文春文庫ビジュアル版についてお話しましょう。 文春文庫ビジュアル版は背表紙の左肩に赤い斜線が入りVISUALと赤文字で記されていてこのマークがついてれば、このシリーズと分かるようになっている。私が始めてこのビジュアル版を買ったのは、映画ベストシリーズです。「大アンケートによる洋画ベスト150」という本です。1988・7月第1刷とあるから相当前ですね。 閑話休題。今これ書きながら有線テレビで「人のセックスを笑うな」をちらちら見ているが、この映画傑作ですね。自然体の台詞回しが素晴らしい。主演の3人がいい。松山ケンイチ、永作博美、蒼井優、適役です。監督の井口奈己さんは以前「テアトル新宿」でバイトでもぎりをしていたそうで、好きこそ物の上手なれですねと当時の支配人さんが話してました。引きの画の多いカット割りや役者の演技の引き出し方など新人離れした手腕を示しています。次回作に期待したいです。 さて、このベスト150シリーズは今までのところ6冊出ています。上記のほかに「日本映画」、「洋・邦名画」、「男優」、「女優」、「ミステリー・サスペンス洋画」とあり私は男優女優以外は持ってます。他に映画関係では「ラブシーン150」とか「ビデオ大好き365夜」、「戦後生まれが選ぶ洋画100」とか「異説・黒澤明」などがあります。ラストの「黒澤明」の凄いのは5作品を除いた全作品のカラーポスター(オリジナルか復刻版)が収録されてること。他の本は写真が多用されてるが全てモノクロだがこの「異説・黒澤明」はカラー写真が多いのが特徴。そうなんです、文春文庫ビジュアル版はカラー写真をふんだんに使った編集が一番の売りなのです。 勘定すると私はビジュアル版を43冊を大切にしています。もっと書棚の奥にあるかもしれないが、そんなとこでしょう。2008年3月の「文春文庫解説目録」によればビジュアル版は17冊しか載っていない。内10冊は漫画だから、昔ながらのビジュアル版は7冊しかカタログに残っていないことになる。寂しいことです。今持てはやされているB級グルメの発祥地はまさに文春文庫ビジュアル版なのに、どうなっているのかな。その辺については次回にお話しましょう。 ![]()
今年も残すところあと1日となりました。月刊「映画ランダムソート」にようこそ。 今日は今年1年を振り返ってみましょう。しかし、今年は例年のように、軽い気持ちで振り返るなんてわけには行かない事はお分かりだと思います。3.11の衝撃です。2万名もの死者、行方不明者を出した震災、そして未曾有な出来事、原発爆発事故です。前者は天災ですから備えを万全にし、如何に回避すればいいのか、工夫努力していけばどうにかなると思いますが、後者はまさに人災そのもの、原発などというものが無ければ何でもなかったわけだが、全ての電源が落ちることに対しどうなるかを想定しなかった甘さ、そして使用済み核燃料の処理について、単なる低温プールに沈めておくだけで、増えすぎて満杯になったらどうするか対策をあいまいのまま見切り発車してしまった甘さ。事故が起きた後の終結処理の認識に対する甘さ。全ていい加減だったことが明らかになりました。最初からメルトダウンしていることが分かっているのに隠していた東電と政府。メルトダウンといえば映画「チャイナシンドローム」です。題名の意味は原子炉からメルトダウンした核燃料が核分裂を続け、地中深く進行しやがては地球裏側(アメリカから見た)の中国まで達するということで、いかにメルトダウンは危険なことかフィクションドラマでしたが教えてくれた映画でした。スリーマイル島、チェリノブイリの事故の教訓を忘れたつけは大きい。福島第一原発近くの故郷を捨て、どれだけの人が避難しているか、その人々が元に帰れるようする為に東電・政府は全力で血を吐くような努力をしていなければならないのに、どうなんでしょうか。彼らは責任の重さをひしと受け止め対応していただきたい。こんな危険極まりないものを良しとした学者も学者だが、被爆国としての核に対する研究がなされてないのですね。学者が悪い。 今年最大の悪者原発のお話はこれくらいにして、他のことで私にとって最大の出来事は母の死です。 後、半月で92歳という歳ですから、女性の平均より上だからあきらめもできますが、しかし、寂しい。半年以上の入院でした。いやになるほど病院に通いました。変化をつける為、いろんな道を通ったりしてました。最期夜中の2時に連絡来たとき、たまたまその夜私は禁酒していた日で、自分で運転できて行けたので、バアサンちゃんと日を選んだなと思った次第です。そして家内の誕生日ときてるから、なかなか仕掛けるじゃないかと感心いたしております。まあ、我の強い人でしたから、多分自分が死ぬとは思っていなかったのじゃないかと思われ、冥途の道すがら、どうしてこうなっているのかと首をかしげながら歩いていることでしょう。待ってるジイサンも35年ぶりなので見間違えなきゃいいけれど。 というようなところで私の今年度の回顧といたします。そうそう今年見た映画のベスト・ワンは是枝裕和監督の「奇跡」にいたします。 ![]()
新古書店と言う言い方もありますが、ここで話題にするのは「ブックオフ」のことです。古本好きの私ですが、最近は広々とした「ブックオフ」を利用させていただいてます。ケイタイで「ブックオフ」の何とか会員になっていると、ある場所で今居るところから近い店舗は何処か教えてくれる。東京へ出かけたときなどケイタイで現在地から近いとこはどこか調べて地図を表示させ、その店まで行ったときなどうまく行き過ぎて、満足したりして喜んでいるのだから他愛無いもんです。 私の好きなのはどういう価格設定になっているのか知らないけれど、105円の棚が多いことです。他の定価の半額のものと105円の違いがわかりませんが、同じ本が両方にあったりしてるので、そういう場合は当然105円を買うのは当然です。それと懐の関係から余程のことが無い限り私は105円のものしか買いません。どうもその本がきれいかそうでないかが、価格設定の重要な要素みたいですね。本は外観ではなく内容だというのが持論ですので105円で十分です。 書籍とは別にCD、DVDなどの品揃えが充実しているのもいいです。ビデオテープなどはもう激安で、105円で売られております。なんかかわいそうです。昔の隆盛今何処といったところでしょうか。 ところで先日ある店で105円ビデオを2本買いました。1本は「チンドン屋大集合」という「全国ちんどん博覧会」の記録。これはまだ見てない。もう1本は「東海道スーパーライナー」でこれはJR貨物の運転室展望ビデオでした。早速帰って見てみた。これが面白いのですね。沼津から東京貨物ターミナルまで貨物線を通っていくのを運転室からの前方固定カメラで撮りっぱなし、丹那トンネルは7分間真っ暗のままだったり、複々線を並行して走る湘南電車と抜きつぬかれつだったりして、とにかく子供のころ電車の運転席の後ろにかじりついて見た記憶がよみがえり、全編2時間弱楽しませてくれました。 それでこのビデオのほかに同様のJR貨物運転室展望ビデオが後3本(山手線、武蔵野線、高速コンテナ)sその店にあったのを思い出し、2,3日後に又その「ブックオフ」に寄ってみた。早速ビデオのあった棚に行ってみた。3本とも残ってました。しめしめというわけで、ビデオ3本持ちまわすのも何なんで、他を見てからでもいいやと別の場所で物色しました。例により105円の雑誌類を5,6冊抱えて、ビデオの棚に来てみると、3本とも無い。エッ、しばし呆然自失。2,3日残っていたのに何でたかが15分の間で消えたのか。誰かが買ったのですね、無念。 前もこれをやったのです。ちょっと大き目の雑誌だったので後で取りにくればいいと思って他を見て、レジに行く途中に戻ったら誰かに持っていかれたことがある。承知していながら又やらかしたのです。教訓、欲しい本、ビデオはすぐ手に取り離さないこと。バーゲンセールでおばさんたちが欲しいものをとりあえず抱え込む、あの心意気ですね。 それとは別にうれしいこともあります。ディック・フランシスの競馬小説の3番目「重賞」という小説が抜けていて38巻まで手に入れたが3巻目はどういうわけかみつからない。4,5年いやもっとかもしれないがみつからなかったのです。新刊ならあるかもしれないが、ここは意地でも古本でみつけなければと探していたかいがありまして昨日入手することができました。こういうときこのうれしさを店員さんに言うべきか迷いましたが、無言で喜びをかみしめました。 新古書店めぐりはやめられないです。 ![]()
前回、光石研さんが来ますとお知らせしてから、早一ヶ月。早いもんですね、いろいろありすぎて思い出すのも大変です。上映会が6日あり、うち2日は複数回上映でした。又7日ほど親戚のりんご農家のお手伝いに行き汗を流しました。それから4泊5日の遠距離の旅行をこなし、高校の同級会に1泊で出かけたり、ある会の決算報告を作成発表したりともかく忙しい一ヶ月でした。 光石さんは予想通りの親しみやすい温かい人柄の人で、女性スタッフの面々は一層フアンになりましたと言っておりました。「あぜ道のダンディ」という映画は出来はいまいちですが、楽しいダンスなど出てきてほのぼのとさせられました。 りんご作業はサンフジの葉むしりです。葉摘みとも言いますがりんごの周りの葉っぱを取る作業です。葉がりんごに直接当たっているとその部分だけりんごが白く模様がついてしまいます。その葉っぱを取ればその白い模様も消えて全面が真っ赤になるわけです。脚立の乗り降りややや仰ぎ見る姿勢で少々腰が痛くなるのが難点ですが、青空の下気持ちのいい作業でした。 遠くへの旅行とは北海道の札幌でした。2年前からの懸案がやっとかないました。積丹半島の突先カムイ岬で積丹ブルーの海を見ました。その帰りに私が50年前に初めて海水浴に行った海岸、蘭島海岸で濃厚なラーメンを食べました。又、知人の山荘に招かれたのですが、庭先の下を奥入瀬渓谷まがいの清流が流れていて、そのスケールの大きさにびっくりしました。対岸は国有林だそうで鹿がよく出るそうで、もちろん熊も居るでしょう。瀟洒な建物の「六花亭」の二階のティールームで甘味を押さえたアイスクリームを頂きました。 同級会の翌日、卒業以来始めて母校を見学。昔の面影探したらせいぜい正門付近のヒマラヤ杉位か。女の子がうじゃうじゃ居て面食らう。皆さんまじめにハードなスケジュールで勉強しているようです。新しい体育館を見せていただいたですが、体育の時間は勉強の間の息抜きとして、有効なのだなと妙に納得いたしました。 来月の上映予定や映画のチラシを近所の図書館に持参し、ついでに家で取ってない新聞の古い記事を探して読んだりした。こういうとき図書館の便利さに感謝。新規入荷の書棚を見ていたら、岩波書店の「日本映画は生きている」シリーズが大挙飾ってあった。私はこのシリーズの中では「踏み越えるドキュメンタリー」というのを買ったけれど、他の本の内容を見ようにも地元の本屋にはまず無かったので都会の本屋で見ようかと思っていたところ、それが図書館で見られるのうれしいことです。そして貸してくれるのだからこたえられない。早速最終巻の「日本映画はどこまで行くか」を借りてきました。じっくり読まさせていただきます。 ![]()
来る9月30日(金)19:30まつもと市民芸術館にて松本CINEMAセレクトの上映会があります。作品は石井裕也監督の「あぜ道のダンディ」。何とその主役の光石研さんが来場してくれることになりました。セレクトでゲストを呼ぶ場合は監督などのスタッフ系が多く、キャストはあまり来ないのですが、今回は光石さんがいらっしゃいます。近来では柄本時雄さん以来で画期的な出来事と言ってもいいでしょう。 光石研さんといってもなまえと顔が一致しない方もいるかと思いますが、最近ではと言っても古いけどNHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」で松阪慶子さんの亭主役でちょっとひねた戦争帰りの人と言えば思い出していただけるでしょうか。3年前にデビュー30周年の彼個人だけの映画祭を渋谷で開催されましたから、芸暦はかなりのものがあり、渋い脇役として最近の映画界では引っ張りだこの人です。 今回は「川の底からこんにちは」の石井監督ですから、ちょっとずれた感じのユーモア溢れる作品になっているのではと期待が持てますし、主役に光石さんその親友役に田口トモロヲさんですからふたりの絡み合いが今から楽しみです。光石さんはデビュー作「博多っ子純情」で主役を演じてますから33年ぶりの主役です。もっともNHKのテレビドラマでは主役をしてますけど。 さて、私が光石さんに感じていることをあれこれ書かせてください。私が彼に注目したのは青山真治監督の「HELPLES]です。ムショ帰りの片腕のやくざ役でその狂気溢れるすごさに圧倒されました。主役の浅野忠信さんも彼にひきずられて狂っていく様は背筋が寒くなりました。その怖さは今でも語り草で、この映画が光石さんの転換期だったと言われております。次に凄いと思ったのは、李相日監督の長編デビュー作「BORDER LINE」です。 これもヤクザ役ですが、落ちこぼれヤクザで組の金を持ち逃げしてる役だ。その彼が父親殺しの少年と出会い、いろいろ諭すなど難しい役どころを演じてます。ですから一筋縄ではいかない複雑な性格の役どころが多く、それだけに観客は不思議な魅力を感じるのです。ある時はチョー怖い人だったり、ある時は心優しい小心者だったりその幅広い芸風は伊達に30年過ごしてきたわけではないのです。 又青山真治監督との相性がいいようで「ユリイカ」「サッド・バケーション」でも重要な役を演じている。相性のいい監督、俳優の関係はおのずと相乗効果でいい作品つくりになっていくようだ。変な意味じゃないご常連が出ることによりお客は安心して映画を楽しめることはいいことだと思います。 と書いてきながら、その当人が来ていただけるということは、これは凄いことなんだと、だんだんわくわくしてきました。皆様、是非とも30日はまつもと市民芸術館にご参集くださいますよう、切にお願い申し上げます。 お勧めついでに9月25日(日)10:00、13:00の2回Mウイングにてドキュメンタリー.ムービーと銘打った井手洋子監督の「ショージとタカオ」が松本に登場です。2010年キネマ旬報文化映画部門ベスト.テン第1位受賞作品ですので、昨年数多く作られたドキュメンタリーの頂点に君臨しているのがこの映画です。 158分という長尺ですが、納得堪能できる作品だと思います。こちらも見てください。待ってます。 ![]()
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